こんにちは。今回も住宅関連記事です。現在住む一条工務店i-smartを建てるきっかけとなった旧よっち宅の暮らしぶりを打ち明けます。前回を見てない方は先に前回を見ておいたほうが話が入りやすいと思いますのでこちら「新築のマイホーム、そして立ち退き宣告。」から先に閲覧お願いします。
前回は旧よっち宅はかっこいいデザインの家でしたよ~という話でした。
今回は、家の良さはデザインだけではダメですよという話をしたいと思います。
さて、今日の本題です。
旧よっち宅はデザイン的には申し分なく気に入っておりました。正面側からの写真を公開します。これも設計士さんへの配慮からボカシを入れておりますがご理解くださいませ。
敷地が南北に高低差が160cmほどあったため、南側からみると2階建て、北側から見ると平屋という変わったスタイルの家です。高低差を利用してインナーガレージになっています。
玄関の上は吹き抜けガラス張りです。
天井高はおそらく7〜8mあったんじゃないでしょうか。玄関の吹き抜けは居間まで続いています。あまりに広い空間ですが通路の途中に埋め込みドアがあり、開けば空間を2分できるようになっています。ちょうど小学校の防火扉みたいな感じです。普段は閉じたままですのでまさに玄関から居間までは大空間となっていました。そして上空から見るとコの字の形をした家です。コの字の内側の2階部分の壁はほぼガラス張りです。家族がどこにいても様子がうかがえる、家族の気配を感じていられる空間というのがコンセプトと聞かされました。
ガラス張りが多いので家の中はものすごく明るく窓を開ければ風通しも抜群でした。しかもバルコニーを通じて反対側に移動でき回遊もできる構造でしたのでそれも楽しいデザインでした。こんな複雑なデザインは鉄骨造りだから可能だったんだろうなと思います。
しかしこの造形が断熱性を大きく失う根源でもあったのだろうなと思います。
・ガラス窓の多い家→熱の出入りが大きく断熱性を欠く。冬は寒く、夏は暑い。
・玄関から吹き抜け、27帖のリビングダイニングもすべて吹き抜け→空間が広くて冷暖房が効かない。
・上空から見下ろすとコの字型の家→外気にさらされる壁が多く気候の影響を受けやすい。
・ガレージの上が居間→居間が床からも冷やされ冬場の冷えは一層厳しい。
・鉄骨構造→熱を伝えやすいので外気温に影響されやすい。
広い玄関。階段上から見下ろした写真
リビングダイニングの写真
南向き吹き抜け勾配天井でガラス窓の多い部屋
具体的にいきますと・・・・
冬場の寒さは特ににつらいものがありました。家の中の温度は外気温とあまり変わらなかったので・・・・。例えば深夜に帰宅すると外気温0度くらいなら玄関は2度か3度くらい。そう、冷蔵庫の中よりも寒い室温です。風がないぶん外よりはマシという程度です。メインの居室空間であるリビングダイニングは大型のエアコン2台で暖房をかけても中々効果は出ず、むしろ空気の流れが寒さを感じるので次第に使わなくなりました。食事は強力なガスファンヒーターや石油ストーブをテーブル回りに置きその時その場の寒さをしのぐだけでした。居間を温めるのはあきらめていたので室温は玄関とそう変わらない中、コタツの中だけが温かいという状態です。とは言えコタツがあっても居間は床からも冷やされるのでお尻は何か寒々しい。コタツの敷布団の下には市販の断熱マットが必須でした。居間とは本来居住空間のメインとなる部屋だと思いますが、旧よっち宅では、こと冬場に関しては「寒くていられない」場所でした。
お風呂に入る時はもっと辛くて、特に子供が産まれてからは妻が大変でした。風呂に入る前に寝室(当時のよっち家で一番狭い和室が比較的温めやすかったのでそこを寝室に利用)をエアコンで温めつつ家族分の湯たんぽのお湯を沸かし、各布団にセット。そして脱衣所に電気ストーブを置き温風に当たりながら脱衣。風呂上りは、妻は自身も寒い中まずは子供の肌着、パジャマをストーブであぶってから着せ、次に自身の服を着る。湯冷めしないように温めた和室にすぐに移動しすぐに寝る。朝は朝で寒さから布団から出るのが一大決心という感じでした。(;´Д`))
寒暖差が激しい家でしたので流れるような結露が発生していました。気が付いた時は窓際の床材が雨ざらしの木材のように傷んでいました。また掃除できない吹き抜け部分の窓枠が結露の繰り返しでカビていたようで、これは引っ越しする時の解体時に、ことの酷さを思い知りました。
これ、日本の中でも太平洋側で比較的温暖な愛知県での話です。光熱費でいうと一番寒い時期の2月は電気代2万円以上、ガス代2万円以上、プラス灯油代5000円くらいかかっていました。石油ファンヒーターに灯油を継ぎたす作業はいつも玄関でしたので玄関はいつも灯油臭かったですし、ストーブは3台あったので給油も大変でした。給油もそうですが買ってくるのが重ねて苦痛でした。重いし、車内に灯油の匂いがついてしまうし・・・。
夏場の暑さは風通しのよい家でしたので窓を開ければ気持ちの良い風が入るのですが、ガラス張りの家でしたので天気の良い日はまさに温室のように熱気ムンムンになっていました。外の気温がそもそも暑いという日は冷房が効かなくて辛かったです。やはり狭い部屋に逃げ込んでの空調で涼むしかありませんでした。
ざっと流して紹介してきましたが、これが外見は立派、でも暮らしぶりはちょっと・・・という旧よっち宅の生活の様子です。
今回は断熱性能はとても大事ですよ~という話でした。
さて、家を建て住み、そしてその家をのちに建替える事が具体的に決まっていたら今ある問題点は次こそ改善しようと思うわけです。よっちは立ち退き宣告から実際に立ち退くまで20年弱ありましたので、家について非常に長い期間勉強する機会を与えられたわけです。
自身の家の暮らしぶりを考えたとき、他の家はどうなんだろうと思っていました。よっちの実家は築100年以上の年季の入った木造日本家屋です。よっち宅は実家よりも寒かったのでどうしてこんなに寒いのだろうと思うようになり、それは家の構造や材質に興味をも持つきっかけとなりました。また住んでいるうちにマイホームを維持するためのメンテナンス費の発生どころを知りました。そして家族が増えていく暮らしの変化の中で住み心地をもっと考えた家を次こそ建てたいと思うようになりました。
幸いにも旧よっち宅の周辺は同様に立ち退きで建替えた人がたくさんいて、しかも振興住宅地でしたので新築の家が毎年何十軒も立つような場所でした。テツの散歩がてらにそういった現場を新築から、5年後、10年後のスパンでじっくりと観察することができました。建売りの家、デザイン事務所らしき個性的な家、実直な地元工務店もあれば大手ハウスメーカーもありました。
新築の家は時々現場見学会のような催しをされることがありますよね。そんな時は積極的にお邪魔して仕様や素材、コンセプトなどを見聞きして知識を蓄えました。そしてそのような長年の研究の結果として一条工務店i-smartを選んだわけです。
これらのよっちなりの研究結果がどのようにi-smartにつながったのかはまた別の機会にお話しします。
今日はここまでで。
前回は旧よっち宅はかっこいいデザインの家でしたよ~という話でした。
今回は、家の良さはデザインだけではダメですよという話をしたいと思います。
さて、今日の本題です。
旧よっち宅はデザイン的には申し分なく気に入っておりました。正面側からの写真を公開します。これも設計士さんへの配慮からボカシを入れておりますがご理解くださいませ。
敷地が南北に高低差が160cmほどあったため、南側からみると2階建て、北側から見ると平屋という変わったスタイルの家です。高低差を利用してインナーガレージになっています。
玄関の上は吹き抜けガラス張りです。
天井高はおそらく7〜8mあったんじゃないでしょうか。玄関の吹き抜けは居間まで続いています。あまりに広い空間ですが通路の途中に埋め込みドアがあり、開けば空間を2分できるようになっています。ちょうど小学校の防火扉みたいな感じです。普段は閉じたままですのでまさに玄関から居間までは大空間となっていました。そして上空から見るとコの字の形をした家です。コの字の内側の2階部分の壁はほぼガラス張りです。家族がどこにいても様子がうかがえる、家族の気配を感じていられる空間というのがコンセプトと聞かされました。
ガラス張りが多いので家の中はものすごく明るく窓を開ければ風通しも抜群でした。しかもバルコニーを通じて反対側に移動でき回遊もできる構造でしたのでそれも楽しいデザインでした。こんな複雑なデザインは鉄骨造りだから可能だったんだろうなと思います。
しかしこの造形が断熱性を大きく失う根源でもあったのだろうなと思います。
・ガラス窓の多い家→熱の出入りが大きく断熱性を欠く。冬は寒く、夏は暑い。
・玄関から吹き抜け、27帖のリビングダイニングもすべて吹き抜け→空間が広くて冷暖房が効かない。
・上空から見下ろすとコの字型の家→外気にさらされる壁が多く気候の影響を受けやすい。
・ガレージの上が居間→居間が床からも冷やされ冬場の冷えは一層厳しい。
・鉄骨構造→熱を伝えやすいので外気温に影響されやすい。
広い玄関。階段上から見下ろした写真
リビングダイニングの写真
南向き吹き抜け勾配天井でガラス窓の多い部屋
具体的にいきますと・・・・
冬場の寒さは特ににつらいものがありました。家の中の温度は外気温とあまり変わらなかったので・・・・。例えば深夜に帰宅すると外気温0度くらいなら玄関は2度か3度くらい。そう、冷蔵庫の中よりも寒い室温です。風がないぶん外よりはマシという程度です。メインの居室空間であるリビングダイニングは大型のエアコン2台で暖房をかけても中々効果は出ず、むしろ空気の流れが寒さを感じるので次第に使わなくなりました。食事は強力なガスファンヒーターや石油ストーブをテーブル回りに置きその時その場の寒さをしのぐだけでした。居間を温めるのはあきらめていたので室温は玄関とそう変わらない中、コタツの中だけが温かいという状態です。とは言えコタツがあっても居間は床からも冷やされるのでお尻は何か寒々しい。コタツの敷布団の下には市販の断熱マットが必須でした。居間とは本来居住空間のメインとなる部屋だと思いますが、旧よっち宅では、こと冬場に関しては「寒くていられない」場所でした。
お風呂に入る時はもっと辛くて、特に子供が産まれてからは妻が大変でした。風呂に入る前に寝室(当時のよっち家で一番狭い和室が比較的温めやすかったのでそこを寝室に利用)をエアコンで温めつつ家族分の湯たんぽのお湯を沸かし、各布団にセット。そして脱衣所に電気ストーブを置き温風に当たりながら脱衣。風呂上りは、妻は自身も寒い中まずは子供の肌着、パジャマをストーブであぶってから着せ、次に自身の服を着る。湯冷めしないように温めた和室にすぐに移動しすぐに寝る。朝は朝で寒さから布団から出るのが一大決心という感じでした。(;´Д`))
寒暖差が激しい家でしたので流れるような結露が発生していました。気が付いた時は窓際の床材が雨ざらしの木材のように傷んでいました。また掃除できない吹き抜け部分の窓枠が結露の繰り返しでカビていたようで、これは引っ越しする時の解体時に、ことの酷さを思い知りました。
これ、日本の中でも太平洋側で比較的温暖な愛知県での話です。光熱費でいうと一番寒い時期の2月は電気代2万円以上、ガス代2万円以上、プラス灯油代5000円くらいかかっていました。石油ファンヒーターに灯油を継ぎたす作業はいつも玄関でしたので玄関はいつも灯油臭かったですし、ストーブは3台あったので給油も大変でした。給油もそうですが買ってくるのが重ねて苦痛でした。重いし、車内に灯油の匂いがついてしまうし・・・。
夏場の暑さは風通しのよい家でしたので窓を開ければ気持ちの良い風が入るのですが、ガラス張りの家でしたので天気の良い日はまさに温室のように熱気ムンムンになっていました。外の気温がそもそも暑いという日は冷房が効かなくて辛かったです。やはり狭い部屋に逃げ込んでの空調で涼むしかありませんでした。
ざっと流して紹介してきましたが、これが外見は立派、でも暮らしぶりはちょっと・・・という旧よっち宅の生活の様子です。
今回は断熱性能はとても大事ですよ~という話でした。
さて、家を建て住み、そしてその家をのちに建替える事が具体的に決まっていたら今ある問題点は次こそ改善しようと思うわけです。よっちは立ち退き宣告から実際に立ち退くまで20年弱ありましたので、家について非常に長い期間勉強する機会を与えられたわけです。
自身の家の暮らしぶりを考えたとき、他の家はどうなんだろうと思っていました。よっちの実家は築100年以上の年季の入った木造日本家屋です。よっち宅は実家よりも寒かったのでどうしてこんなに寒いのだろうと思うようになり、それは家の構造や材質に興味をも持つきっかけとなりました。また住んでいるうちにマイホームを維持するためのメンテナンス費の発生どころを知りました。そして家族が増えていく暮らしの変化の中で住み心地をもっと考えた家を次こそ建てたいと思うようになりました。
幸いにも旧よっち宅の周辺は同様に立ち退きで建替えた人がたくさんいて、しかも振興住宅地でしたので新築の家が毎年何十軒も立つような場所でした。テツの散歩がてらにそういった現場を新築から、5年後、10年後のスパンでじっくりと観察することができました。建売りの家、デザイン事務所らしき個性的な家、実直な地元工務店もあれば大手ハウスメーカーもありました。
新築の家は時々現場見学会のような催しをされることがありますよね。そんな時は積極的にお邪魔して仕様や素材、コンセプトなどを見聞きして知識を蓄えました。そしてそのような長年の研究の結果として一条工務店i-smartを選んだわけです。
これらのよっちなりの研究結果がどのようにi-smartにつながったのかはまた別の機会にお話しします。
今日はここまでで。
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