こんにちは、よっちです。
今回から何回かにわたり家づくりのよっちの物差しを紹介していきたいとおもいます。
これはあくまでよっちのモノサシです。ちがうモノサシを持っている方もいると思いますが、
2回目の家作りはこういう考えで建てたんだということを書いていこうと思います。
住宅の基本構造の選択をどういうモノサシで決めていくか、それが大事です。
どんな家を建てようか考えたとき、予算的な面を第一に考えると、有名どころのハウスメーカーで建てるのか、地元工務店で建てるのかが最初の検討事項になるかも知れません。そして気になった先が木造系か鉄骨系かによって、必然的に木造、鉄骨の選択が決まってしまっているのではないでしょうか。つまり、木造、鉄骨の構造選択よりも先にハウスメーカー選びが先に来ているような気がします。そういう選び方も当然あるとは思いますが、木造か鉄骨かを先に考える事もとても大事ではないかと思います。そえぞれメリットとデメリットがありますし、どのメリットを優先させるのか、それがその人個人のモノサシ次第となるわけです。
鉄骨、木造の一般的なイメージとしてはこんな感じなんじゃないでしょうか。
【鉄骨住宅に持つイメージ】
・地震に強そう。
・モダンな家になりそう。
・なんとなく、洗練された感じ。
・シロアリ被害を心配しなくてよさそう。
【木造住宅に持つイメージ】
・地震に弱そう。
・和風な家になりそう。
・なんとなく古い感じ。
・シロアリが心配。
しかしよっちはモダンな鉄骨作りの家に住んでみて新しいモノサシが加わりました。
・寒い家はつらい。温かい家に住みたい。
(暖房が効かない、効かせるためには膨大な光熱費がかかる)
という断熱性の問題です。
断熱性が低いことで派生する様々な問題点はこちら 「低断熱住宅での暮らしぶり」 をどうぞ。
旧よっち宅は2階に居間があり、1階はガレージという構造でした。写真のようなここまでのものを高基礎というのかどうかわかりませんが、鉄筋の基礎がガレージの天井まで伸びており、ガレージの壁はコンクリートの打ちっぱなしでモダンなイメージを与える構造でした。
冬場は冷たく冷やされたコンクリートの冷えが鉄骨を伝い家の中までダイレクトに入ってきたようです。寒かった原因がすべて鉄骨にあったわけではないでしょうが、鉄骨ならではのデザイン住宅になっていたためそういう意味で鉄骨は寒くなりがちと言えるのではないでしょうか。仕様によりある程度は寒くなりにくい家も建てられるとは思いますが、木造で断熱性を高めた家にはやはりかなうはずがありません。なにしろ鉄は木の500倍熱を伝えやすいということですので。
冷えは基礎から鉄骨を伝い家の中まで入ってくるのです。鉄骨住宅でたとえ壁の断熱性を高めても基礎から鉄骨を伝ってくる冷えは止めようがないような気がします。
間取り・デザイン面においても注意する事があります。
鉄骨住宅では安易にガラス窓を大きくしすぎる点が挙げられると思います。吹き抜けも作りやすいのでしょう。専門的な事は分かりませんが、鉄骨の強度面から柱や壁を多くする必要がないのだと思います。採光面では確かに優れていますが、ガラス面が多いのは間違いなく寒くなる原因です。冬場に窓の傍に立つと冷えを感じます。壁の傍では感じない冷えを直接感じます。以前北海道を旅行した時に見た光景です。窓が小さくてかわいい家々をたくさんみました。その時は「かわいい家だな」と思っただけでしたが、断熱性を高めるため最低限の窓面積にしていたんだな、と今では理解できます。
鉄骨では、その家の構造の自由度から大きな空間の部屋も作りがちです。よっちの旧宅がそうでした。玄関からすでに吹き抜けの大空間。吹き抜けのままDKに続き、DKの広さは27帖。ちょっとしたホールです。この例は極端なのかも知れませんが、広すぎる空間は、そうそう簡単には温められません。そして温かい空気は上に上がってしまいます。人の高さで温かみを感じるまでには相当の熱量が必要ですし、時間もかかります。広く天井の高い部屋はすがすがしくて気持ちいいものですがその見返りは大きいです。見栄え重視のショップや店舗にはむいていますが、住居には不向きなんだと思います。
ハウジングセンターをメーカー選びで廻っている時に、大手メーカーのモデルハウスで、鉄骨、玄関吹き抜け、ガラス張りという寒さの典型の様な家も見ました。そのモデルハウスは健在で、いまだに見ると悲しくなります。
エアコン設置の位置も重要です。間取りを考えていくうえでテレビ、ソファー、ダイニングテーブルなど大型の家具をあらかじめ想定し、窓の位置を決めていると思います。そしてエアコンは多くの場合、後から余ったスペースに考えられてはいないでしょうか?結果部屋の隅に追いやられていることが多いのでは。
断熱の悪い家でも、せめてエアコンの真ん前だけは暖をとれる、あるいは涼をとれました。旧よっち邸では大きすぎたリビングダイニングの部屋の隅に大型エアコンが設置されていました。しかし部屋の中央スペースにまったく届きませんでした。そのため後に部屋の中央にも大型エアコンを追加設置することになりました。その家の断熱性能の高さによってエアコンの位置も重要になってくるということをこの時学びました。
また寒暖差が激しいと家のメンテナンスコストにも影響を与えるようです。
よっち旧宅は住んで10年経つ前に救いようのないくらいクロスの亀裂が目立つようになりました。壁の伸び縮みに対しクロスが吸収しきれず、貼り合わせの箇所でもないのにびりびりと破れてきたのです。
原因はこうではないかと推測しています。
鉄骨は温度により伸び縮みします。長さ10mの鉄で10℃の温度変化に対し1mmの伸び縮みがあると読んだことがあります。一方で木材は温度による伸び縮みは無いに等しいそうです。よっちの旧宅は室内でも冬は0℃まで冷やされ、夏は40℃近くまで熱がこもりました。10mの柱で年間4mmずれが発生し、それが毎年繰り返されるわけです。一方で壁材自体の伸び縮みは無いわけですから、骨組みのズレがもとで壁材の張り合わせ箇所に歪みのしわ寄せが集中し、クロスに亀裂が入ったのだと推測します。そしてクロスの貼り換えも容易ではありません。普通6畳の部屋であれば4〜5万円くらいが相場のようですが、よっちが玄関吹き抜けの天井の見積もりを取ったときは「20万円以上かかると思うけど、ほんとにやる?」とクロス屋さんに言われました。天井が高すぎるため足場を3段くらい組まないと作業ができないからで、足場を組むのが高くなる原因なんだそうです。結局取り壊すことが先に予定されている家ですのでクロス貼り換えは断念しました。
インナーガレージで床下が屋外空間というのも寒さに拍車をかけたようです。居室の下にガレージを持ってくるのは雨の日など、濡れずに乗車できる点で一見魅力的に見えますが、大きな犠牲を払うことになります。
ガレージ内は冷気が吹き抜けるため、普通以上に床が冷やされてしまうようです。床が冷えると、より一層冷えを感じてしまうのです。これは鉄骨に限ったことではありません。木造の知人宅でも同様に居室の下がガレージになっており、冷やされた床により子供がしもやけになってしまったとの事です。敷地スペースの問題で居間下をガレージにせざるを得ない場合もあると思いますが、その場合は床に念入りな断熱材の導入をオススメします。
よっちが旧宅で学んだ最も大きなモノサシは、断熱性能についてです。温かい暮らし、過ごしやすい暮らしを考えた時の空間デザインについてのモノサシです。
今回とりあげたテーマでよっちが次の家で活かしたいと思った点は以下の通りです。
(実際の暮らしぶりを元にした個人的モノサシですので、全てを断定するものではありません)
・鉄骨の家で断熱を頑張っても、木造で頑張った断熱性能にはかなわない。
・寒暖差が大きい鉄骨の家は壁紙が傷みやすい。
・ガラス面の多いデザインの家は寒い。
・大きな部屋のエアコンは中央に配置するべき。
・吹き抜けは寒い。光熱費がかかる。
・居室下にガレージを持ってくるのは避けるべき。
今日はここまでとします。マイホームを計画中の方の参考になれば幸いです。
次回は鉄骨と木造での耐久性に関するモノサシを考えたいと思います。