こんにちは、よっちです。


家作りのモノサシとして、鉄骨がいいのか、木造がいいのか、まずはベースの構造を検討してきましたが、これまで見ている中で「木造の方が良さそうだ」というスタンスで記事を書いています。

実際、よっちは木造のi-smartに決めたわけですのでよっちとしての結論は出ているのですが、そこに至った経緯を付け足していこうと思います。



木造住宅で怖いのはシロアリです。いくら設計上頑丈な作りで、耐震等級3を取っていたとしても、柱や壁がシロアリに喰われたりしたらどうしようもありません。喰われたところに地震でもきたら家族の命を守れないかもしれないのです。


下記HPでいろいろな例が紹介されています。よろしかったら立ち寄ってみてください。
      
  閲覧注意「シロアリ被害の写真館」さんに飛びます。


シロアリ被害の写真館さんから一部写真を拝借します<m(__)m>

基礎伝い蟻道
基礎から伝う蟻道の写真

蟻道
コンクリート基礎から空中を伸びる蟻道の写真



そのため木造で住宅を建てようとする人はシロアリ対策を意識しないわけにはいきません。しかし、仕様によっては防蟻剤を使わなくてもよいということになっているようです。



詳しく見ていきます。


建物の耐久性を確保するため必ず防腐処置が必要であると、基準建築基準法で最低限の基準として定められていますが、実は明確な対応について記載はありません。


フラット35(旧住宅金融公庫)及び住宅性能表示基準では、土台に耐久性区分D1材(簡単にいうとヒノキやひヒバなど浸食されにくい樹種)を使用しない場合は、JASに定める保存処理性能区分K3相当以上の防腐・防蟻処理材の土台を設けるように、また、地盤面から1m以内の外壁の軸組み・木質系下地には防腐・防蟻措置等の対応が規定されています。


「土台にヒノキを用い、外壁には通気層を設け、更に120角のヒノキの柱を採用」すれば、それが防腐・防蟻処理になるという解釈で耐久性能等級3が確保できるというわけです。


そういう処置により防腐・防蟻処理剤の塗布、散布をしていない住宅は相当数あるようです。ネットなどで調べてみても、していないほうが多いような印象さえ持ちます。


はたして、ヒノキや通気層だけの処置で防腐・防蟻剤の塗布または散布は本当に必要ないのででしょうか?

ここは金銭的理由により判断も変わってくるところかも知れません。塗装・散布の効果は多くが5年程度と評価されています。そして以降定期的に処置をしていくと生涯的にかなりの出費になるはずです。半面、その薬剤の人や環境に対する有害性を心配し、両者を天秤にかけたとき、「処置しない」が選択されるのではないでしょうか。



しかしです。よっちの実家は昔ながらの農家で、いかにもな日本家屋です。そしてよっちが子供の頃にシロアリ被害で床が抜けたことがあります。当時子供でしたのでどんな対策がなされたのか知りませんが、しばらく嫌な臭いがしていたことを覚えています。そう、消毒臭いような嫌な臭いです。今思うと防蟻剤の臭いだったのではないかと思います。

父が畑で使う杭の、地面に埋まる部分になんやらベタっとした塗料を塗っていたのを思い出します。「コールタール」と呼んでいました。コールタールを調べると枕木や電柱を腐敗させないための防腐剤として使われていたという記事に出会います。喉の奥が痛くなるような嫌な臭いでした。シロアリ駆除の後の臭いはちょっと違う感じだったという記憶ですが、同じように喉の奥が痛くなるような臭いだったような気がします。ちなみにコールタールは発がん性物質ということもあり住宅に使われることはないと思いますが。どちらにしても喉の奥がいたくなるような薬剤は使いたくないものです。



よっちが見たシロアリ被害は古い実家だけではありません。大人になり、今の仕事になってからも見ています。

よっちはとあるチェーン店に勤めています。数年に一度転勤がありこれまでにいくつもの店舗を経験しています。その中の店舗の一つがシロアリ被害に遭ったことがあるのです。店舗は鉄骨作りです。屋台骨は鉄でも店舗内の仕切りや壁は木でしたし、水回りのお客様トイレの入り口、およびドアも木製でした。このトイレの柱がシロアリにやられました。トイレの天井が沈んできてドアの開け閉めに支障をきたしてきており、調べたらシロアリが原因だったと分かったのです。店舗のパートさんによると、その前年もシロアリ被害で修理をしているとの事でした。

ここで気を付けたいのが、「鉄骨作りの建物でもシロアリ被害に遭う」ということです。そして、一度やられて直しても再発したということです。

多くの鉄骨作りの家は防腐防蟻処理などしていないのでしょう。仕様によって木造でもしないほどなのですから。でもですね、よっちは自分が係わる生活の現場で2回もシロアリ被害に遭遇しています。マイホームを建てるとき、意識しないはずがないのを理解してもらえるんじゃないでしょうか。



そして一条工務店です。
加圧注入防腐防蟻処理
有名な一条工務店のシロアリ対策、ACQ加圧注入防腐防蟻処理材です。
ACQはAlkaline Copper Quaternaryの略です。
1階部分はすべて緑掛かった、加圧注入防腐防蟻処理がなされた柱が使われています。
つかわれている薬剤も危険な成分ではありません。主成分2つのうちの一つ、塩化ベンザルコニウムは無臭・無色透明ですので緑色がかっているのは、もう一つの酸化銅の色なのでしょう。銅は酸化すると緑色になりますもんね。




塩化ベンザルコニウムと酸化銅

よっちは職業柄、消毒剤については少しは詳しいです。塩化ベンザルコニウムというのは殺菌消毒剤です。20年くらい前、O-157が大流行したことがありましたよね。その時もてはやされたのが逆性せっけん、すなわち塩化ベンザルコニウムです。日常的に使われる消毒剤の一つで、給食センターで調理師さんらが手指の消毒につかったり、病院の手術器具の消毒に使ったりします。消毒剤がいろいろある中で、この消毒はモノを腐らせる菌に対し効果が高い消毒のようです。あと、酸化銅も殺菌力があります。昔から「銅壺の水は腐らない」と言われるように、腐敗に対し効果があるようです。酸化銅事態に毒性がないことはずいぶん前から分かっていますが、足尾銅山イタイイタイ病など、公害を学校で習うので「銅山」=「公害」のようなイメージがついている方もいるかも知れませんが、それは誤解です。

そしてこれら二つの構成成分はいずれも殺菌効果はあっても殺虫剤ではありません。シロアリは虫なのになぜ殺菌剤なのか。実はこれこそが、このシロアリ対策が素晴らしいと思わされる理由の一つです。

ACQの薬剤はシロアリ自体には効果がありませんが、シロアリのおなかの中に住む菌(原生動物)に対して効果があるのです。実はシロアリは木をかじっても自分で自身の栄養にすることはできません。おなかに住んでいる菌がそれを分解発酵し、初めて自身の栄養として吸収できるのです。ところがACQ殺菌剤を含んだ木くずはシロアリのおなかに入っても栄養源になりません。菌が死んでしまうからです。菌が死滅することで母体のシロアリも生きていられません。したがってACQは木材の表面に少しだけ染み込んでいればOKなのです。芯までしみていないことで心配する必要はないのです。ACQはシロアリのおなかの中だけに働くのでは、もちろんありません。住宅の柱の表面が腐敗するのを防止するのです。人体には無害な上、シロアリや腐れには有効、そして加圧注入することでその効果が長期(70年くらい)にわたり安定するということですから、まさに理想的な防蟻・防腐処理方法なのです。

成分は安全で、なおかつ長期に効果が期待できるのに、なぜ他のメーカーは採用しないのか。それは、加圧注入には大掛かりな設備が必要だからです。一条工務店は海外に大掛かりな加圧注入の設備を持っているそうですので安定供給が可能なのです。住宅メーカーで他にそんな設備をもっているところはありません。これができるのは一条工務店だけなのです。


こうしてみてきますと、シロアリ対策はやっておくに越したことはない、そして対策するなら、より安全で長期に効果があったほうが安心できるわけです。

鉄骨ということで油断してシロアリ対策しないよりは木造、木造なら構造体の材質、仕様だけに頼ったシロアリ対策だけではなく、より安心なACQ加圧注入防腐防蟻処理した建材が一階部分の全部に使われている一条公務店i-smart。これだけ対策してシロアリに喰われたんだったら、もうしょうがないさ!って思うのです。耐震等級3とってても地震被害で住めなくなるとか、「ここまでやってダメだったらしょうがないさ」と思える域の仕様ではないかと思うわけです。


今日は木造住宅のシロアリのリスクを考えてきました。そして下記の当初もっていた木造イメージの二つは払しょくされたんじゃないでしょうか。

【木造住宅に持つイメージ】

・地震に弱そう。
・和風な家になりそう。
・なんとなく古い感じ。
・シロアリが心配。


今日はここまでです。次回は外観・外壁にスポットを当てたいと思います。